著者
藤井 薫
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.39-47, 2000-07-10 (Released:2018-07-20)
被引用文献数
1

本研究は,1996年にA県において,知的障害者の家族を対象に行った社会調査によるものである。調査内容は,子どもの知的障害に関して,知的障害の告知と受容に関して,相談機関との関わり,相談機関を訪れる際に感じるスティグマ感について,知的障害をめぐる家族の社会観などについてであり,調査後相互の関連性について統計的に検討した。結果から,(1)知的障害の告知のあり方が知的障害者の家族のスティグマ化に大きく影響すること,(2)家族が子どもの知的障害を受容するには,家族の抱くスティグマ感を軽減すること,(3)障害の受容が出来ていないと,相談機関を訪ねる際にスティグマ感をもつ可能性が高い,といった問題点が明らかになった。以上の点から知的障害者の家族が抱くスティグマ感とスティグマ化の要因および障害受容との関係を分析し,スティグマ感を軽減し克服するための有効な社会的支援の方向性を論じた。

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