著者
岩永 公成
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.1-10, 2002-03-31 (Released:2018-07-20)

これまで,占領期児童福祉政策に深く関与したPHW(公衆衛生福祉局,GHQ)の政策構想は不分明なままであった。そこで,本稿は,厚生省児童局の設置過程を手がかりに,PHWの政策構想の解明を課題として設定した。検討の結果,次の2点が明らかになった。第1に,PHWは「児童保護活動を行ううえで,最も障害なのは日本人の児童問題に対する無関心である」とみなしていた。したがって,占領初期,PHWは「関心を喚起し,重要性を認識させること」に腐心した。通達の作成や児童局設置の推進,女性局長の提案などは,その証左である。第2に,PHWは浮浪児問題に関与し始めた頃から,「対象児童の一般化」と「関係機関の連携」という重要な政策理念を有していた。これらの政策理念は,児童局に普通児童を対象とする企画課が設置されたこと,学校保健問題にかかわる連絡調整委員会が設置されたことからわかるように,厚生省児童局の設置により一応結実した。

言及状況

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1946年からPHWは、戦災孤児の問題に積極的に関わり始めました。敗戦後3日で特権階級の女性の防波堤としてRAA設置を閣議決定、設置に向け奔走した日本政府ですが孤児の問題には関心が薄かったようです。 占領初期PHW(GHQ公衆衛生福祉局)の児童福祉政策構想https://t.co/9RBRNROZ5Q
この年からGHQ公衆衛生福祉局は、浮浪児問題に積極的に関わり始めています。官僚、一部の日本人の浮浪児への無関心さを嘆いている様子がこちらの報告書にあります。https://t.co/9RBRNROZ5Q https://t.co/AtG0OJ4Yma

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