著者
玉木 秀幸 鎌形 洋一
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.730-741, 2012-10-01 (Released:2013-10-01)
参考文献数
62
被引用文献数
2

21世紀最初の10年は,環境微生物学・微生物生態学における第二の革命期であったと言えるだろう.言うまでもなく,それは次世代シークエンサーの登場とそれを活用した環境ゲノム解析技術の驚くべき発展によるものである.1990年代の16S rRNA遺伝子に基づいた培養に依存しない複合微生物系解析技術の誕生による第一の革命期から,大規模シークエンシング技術による環境ゲノム科学の時代を経て,今後期待される第三の革命は何であろうか.筆者らは,環境微生物の分離培養技術の革新がそれにあたるのではないか,と考えている.本稿では,環境ゲノム解析の現状を概観しつつ,この大規模シークエンス解析時代の中で少しずつ光の見えてきた未知微生物探索の現状と課題について述べる.

言及状況

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"C. exile の可培養化の明確な成因は定かではないが,本菌を単離した著者によれば「自分の運を信じ,生えてくるよう培地に祈りを込める」ということらしい(私信)"

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@olmitada ゲノムが微生物のDNAを変えたものだから、この辺りからおかしいよな
次世代シーケンサーを駆使した未知微生物探索についてのレビューかと思いきや,本意は伝統的な分離培養技術の復権である.「環境を知り,生態を知る」努力の継続こそが微生物ハンティングを勝利に導くとの言葉でシメられており,万歳三唱した. https://t.co/UNT881e0Gl

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