著者
西田 修三 中谷 祐介 広瀬 太芽
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1039-I_1044, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
10
被引用文献数
1

港湾など高い閉鎖性を有する都市沿岸海域の水環境再生には,流入負荷の削減だけでなく,浚渫・覆砂などの底質改善や人為的な流動制御による水交換の促進が必要と考えられる.本研究では,高閉鎖性海域である堺旧港を対象に,水質・底質特性の把握と外部擾乱による水質変動の解析を行った. 港内では夏季には密度成層が形成され,表層で過飽和,底層で貧酸素化が生じていた.表層ではCSOの影響により高濃度の有機態窒素・リンが,底層では底泥からの溶出の影響による高濃度の無機態栄養塩が検出された.台風21号来襲時には港内容量に相当する港外水の流入が生じ,暴風と高潮に襲われたにも拘わらず,港内水質の完全混合には至らなかった.この港域の水環境は底質に強く依存しており,水質改善には浚渫や覆砂などの底質改善が最も効果的であると考えられた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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ネイティブ大阪人では無いので経験上のパターン構築が困難な時がある。で、大体こういう資料に基づいて組み立てる事が多い。旧堺港の資料。これは凄い。場所・時期・タイグ・地域性・次のポイント探しまで出来る。 『高閉鎖性海域における水質および底質の調査解析』 https://t.co/Z480ySWVx7

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