著者
寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.89-97, 2012 (Released:2012-10-04)
参考文献数
15

漢方は1875年に明治維新政府によって捨て去られるまで,我が国の医療の主流であった。1910年,和田啓十郎は『医界之鉄椎』を公刊し,西洋医学との協調の下に漢方を正当に評価すべきことを提唱した。今から丁度100年前,明治43(1910)年のことである。この著作に啓発され,漢方復興運動に取り組んだのが湯本求真であり,そして湯本求真の精神に共鳴したのが大塚敬節である。このように見ると,この『医界之鉄椎』が漢方の復興に果たした歴史的意義は甚大である。本稿では『医界之鉄椎』が発刊された当時の時代背景と,それから一世紀,我々の先輩は何を成し遂げたかを明らかにした。

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