著者
津田 穣
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.109-119, 1970-02-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
33
被引用文献数
1

橋かけ型感光性樹脂は,光橋かけ剤と高分子化合物との混合組成物と感光性高分子化合物に大別できる.前者には,光橋かけ剤として重クロム酸塩,テトラゾニウム塩,ビスアジド化合物,アントラキノン誘導体などを含んだ組成物があり,後者にはポリ桂皮酸ビニル,ポリビニルベンゾフェノン,ポリフリルアクリル酸ビニル,ポリパラアジド安息香酸ビニル,ジアゾポリマーなどがある.このうち,テトラゾニウム塩とビスアジド化合物,ポリ桂皮酸ビニルについて,光の吸収(電子スペクトル)と光化学的反応性の問題を最近の研究に基いてやや詳しく論じた.最後に,ポリ桂皮酸ビニルのスペクトル増感を例にとり,増感過程において光化学的に重要な光の吸収,一重項⇔三重項間の分子内ならびに分子間エネルギー移動の問題を基礎的事項の平易な解説をかねて詳しく論じ,あわせて増感機構解明のプロセスと,増感機構を利用して新増感剤を開発した研究例を示した.また,重クロム酸系感光性樹脂についても簡単にふれた.

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[桂皮酸][液晶][デバイス][紫外線]

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