著者
包 敏
出版者
国立大学法人 東京医科歯科大学教養部
雑誌
東京医科歯科大学教養部研究紀要 (ISSN:03863492)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.50, pp.13-29, 2020 (Released:2020-05-09)

中国は2000年に高齢化率が7%に達し、高齢化社会を迎えた。20世紀80年代より一人っ子政策を実施し、中国の家族構成は伝統的な多子家族から核家族に変わった。初代一人っ子の親世代が高齢期に入り、伝統的な子世代による老親の家族介護モデルが持続できなくなった。中国政府は2000年以降、高齢化問題の取り組みに力を入れ、数多くの法律、政策を打ち出したが、高齢者介護サービスに関する政策が問題解決に至っていない。2016年6月に中国人力資源・社会保障部は「長期介護保険制度のパイロット事業展開に関する指導意見」を発表し、今後中国全土において介護保険を実施するには高齢者介護サービスの問題解決が不可欠である。本論文は2019年4月16日、中国国務院弁公庁により公布された「国務院弁公庁による高齢者介護サービス発展推進に関する意見」(以下、「意見」と略す)の背景を紹介し、現存の高齢者介護サービスの問題点を指摘したうえ、同「意見」の一部の内容を取り上げ、今後中国都市・農村部における高齢者介護サービスの問題解決の展望をまとめる。

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中国における高齢者介護サービスの現状と今後を読んだ。 介護に関わるものに減税する事、コミュニティ(村)単位での政策等も書かれている。知識のない低所得者を介護職へ誘致したり、高齢者の知識や経験や尊厳等配慮があるように感じた。 https://t.co/kPqu5QRbPF
レポート読んでると法整備はまだこれから、というのも高齢化社会になったのは2000年から(定義的に)なのね。 中国における高齢者介護サービスの現状と今後 ~「国務院弁公庁による高齢者介護サービスの発展推進に関する意見」を中心に~ https://t.co/ExFOg4sAiR

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