著者
三上 益弘
出版者
分子シミュレーション学会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.252-257, 2019-10-31 (Released:2020-10-31)
参考文献数
8

分子シミュレーション(分子動力学法,モンテカルロ法)の計算において,多くの計算時間を消費する計算処理は原子に作用する力又はポテンシャルエネルギーである.その中でも,逆冪で減衰するクーロン力の計算は最も計算時間を必要とする.そのため,クーロン力の高速計算法の開発は,古くから始まった.Ewaldは,1921年にエバルト法を開発したが,コンピュータが誕生する以前だったので,本格的に利用が始まったのは1971年に溶融塩の分子動力学シミュレーションからである.その後,粒子メッシュエバルト法などが開発されたが,根本的に異なる方法は,もう一つの逆冪力である重力を用いる天体力学の分野で開発された,高速多重極子展開法である.ここでは,この二つの長距離力の高速計算法の基礎について述べる.

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クーロンポテンシャルは長距離力と短距離力の境目に位置するというところで,テクニックが要求されます. https://t.co/i0RFneaywv

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