- 著者
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佐藤 勉
小船 雅義
加藤 淳二
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.99, no.6, pp.1272-1276, 2010 (Released:2013-04-10)
- 参考文献数
- 12
アポトーシスのシグナルはカスパーゼファミリーやミトコンドリアを介して伝達されるが,その経路においてreactive oxygen species(ROS)は必須の役割を果たす.一方鉄は,エレクトロンドナーとしてROS産生に関わることで,アポトーシスシグナルを正方向に調節している.アポトーシス細胞死が肝細胞傷害の本態となるC型慢性肝炎では,鉄過剰が病態を増悪させることが明らかとなり,除鉄療法が有効な治療法になることが示されている.