著者
島内 景二
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.41-50, 2006-01-10 (Released:2017-08-01)

『絹と明察』は、三島由紀夫の「小説の作り方」を解明する手がかりとなる。というのは、笛吹川芸術文庫に、三島が『絹と明察』を書くに当たって参照した種本が所蔵されているからである。種本と小説を比較すれば、三島が資料に依拠した部分と、そうではない三島文学の本質部分とが区別される。後者は少年時代の読書体験によって完成し、晩年まで一貫して影響を及ぼしている。三島だけでなく、文学者の旧蔵書の調査は、文学研究に新しい地平を切り開くものであろう。

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