著者
松本 和也
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.24-34, 2006-11-10 (Released:2017-08-01)

本稿は、抽象化された普遍性において読まれてきた受容史に抗い、武田泰淳「ひかりごけ」の精読を通してその歴史性・今日性を論じる試みである。「ひかりごけ」をメタフィクションと捉え直して紀行文における「私」の身振りから"境界(線)の物語"を読み解いた上で、「人肉事件」というモチーフに対する複数の表象を分析し、"脱境界(線)の物語"としての「ひかりごけ」の相貌を取り戻し、その歴史的位置までを論じた。

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#寝る前に論文読む 143 松本和也「翻訳・境界・メタフィクション――武田泰淳「ひかりごけ」を読む」 https://t.co/BgWLLHbJ7r 「つまり、作者の意図はどうあれ、「ひかりごけ」とは十五年戦争および戦争直後とそれにまつわる記憶を封印・抑圧する動きが着実に進行しつつある時期に、

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