- 著者
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三宅 晶子
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.9, pp.1-9, 2011-09-10 (Released:2017-05-19)
能は引用なくしては成立しえない。ほとんどの夢幻能には本説(典拠)があり、構想レベルからすでに引用の世界である。人物造形の方法、見せ場の構成、名所に縁のある詩歌、故事・経文・呪文など様々に利用されている。本稿では、世阿弥が「平家の物語のままに」(三道)作った修羅能と、息男元雅作の朝長(『平治物語』が本説)を取り上げ、能によって変貌した主人公たちを追ってみたい。