著者
吉野 瑞恵
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.33-43, 2012-05-10 (Released:2017-11-02)

『源氏物語大成』に結実する『源氏物語』の文献学的な研究で知られる池田亀鑑は、『宮廷女流日記文学』においては、主情的な評論を試みており、両者は鮮やかな対照をなしている。彼のこのような二面性は、個人的な資質による面もあったが、さらに、池田が人間形成をした大正期に哲学・芸術・文学・社会運動などあらゆる領域を席巻した「生命主義」とも呼ばれる大きな潮流の影響を考える必要がある。池田という研究者は、大正期という時代の新しい流れに反応し、この時代に文学研究をめぐって浮上してきた問題を引き受けて、一生を送ったといえるのである。

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@toru_oga 池田亀鑑が卒論を大八車に乗せて持参した、という話を思い出した。原稿用紙18000枚だったと。 https://t.co/kGThN91EtJ… https://t.co/IJocs8cHzL
池田亀鑑が卒論を大八車に乗せて持参した、という話を思い出した。原稿用紙18000枚だったと。 https://t.co/fRREz2sZkA https://t.co/pCINvbgmNv

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