著者
三宅 知宏
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.61-76, 2005-07-01 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

本稿は,現代日本語における「文法化」について,特に内容語と機能語の間のカテゴリーの連続性ということに着目して,考察することを目的としたものである。具体的には,文法化とみなす現象の範囲を再検討した上で,文法化に関する共時的な研究を行うことの意義を明確にした。本稿の主張は,文法化に関する共時的な研究の意義を,(1)同一の形式における内容語的な用法と機能語的な用法との連続性,及び両者の有機的な関連性を捉えることが可能になること,(2)文法化後の機能語としての意味・文法機能を説明する際に,文法化前の内容語としての意味からの類推が可能になること,の2点(ただし(2)は(1)の帰結)に求める,ということに集約される。さらに,そのような視点に立った場合に,現代日本語において,文法化として共時的に研究することに有効性を持つと思われる現象を,具体的かつ可能な限り網羅的に示し,それらの問題点の整理,及び研究の方向性の示唆を行った。

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