著者
加藤 智弘 伊藤 恭子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.7-21, 2018 (Released:2018-08-16)
参考文献数
89

近年の大腸がんの高い罹患率により大腸がんによる死亡率も高くなり,現在のところ,がん死亡率でみると,男性では3位,女性では1位となっており,診断・治療とともに,その発見も重要な課題項目といえる.その点で大腸がん検診スクリーニングは大きな役割が期待されている.しかしながら,毎年ある程度の受診件数があるものの,精密検査対象者の受診率は他のがんと比較すると圧倒的に低い.このような背景のもと,本稿では大腸がん検診スクリーニングに関する現状と,関連する多くの検査手段について概観した.すなわち,検診のうち,対策型検診で中心となる便潜血検査法について,また,任意型検診,あるいは対策型検診の精密検査対象者への検査として,従来の検査法に加えて,新たな有力な検査法のいくつかについても概説を行った.これらの検査のメリット・デメリットを十分に理解することで,検診受診者に対しては,その情報を還元することにより,結果として,大腸がんの発見,ひいては死亡率の低下をもたらすことに繋がると思われる.

言及状況

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大腸がん。日本の年間の罹患数はおよそ7万人。死亡数はおよそ3万人。 ある論文によると「平成27年大腸がん検診受信者はおよそ5百万人。要精密検査数34万人でがんであったのは約1万人」とある。 https://t.co/5pH7AaftFW 毎年の検診でのがん判明者1万人が、毎年の死亡数現象にどう貢献しているか。

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