著者
佐藤 健治 加藤 智弘
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.53, pp.134-136, 2002-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
4

セイヨウナシ「ラ・フランス」の予冷果における追熟中の輪紋病の発病は, 果実硬度の低下にともなって増加し, 顕著に硬度が低下し始める出庫3日後から硬度が4ポンドに達する間に感染果の9割が発病することが明らかとなった. そこで, 適温で追熟を行った場合の選果基準を検討したところ, 発病が予想される果実のうち90%を出荷前に取り除くことを想定した場合, 果実硬度が4.0~4.5ポンドの時点で病斑直径が1.0mm前後の病斑を目安に選果すれば良いと考えられた.
著者
和田 高士 加藤 智弘
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.671-676, 2017

人間ドック受診者の130万人の飲酒状況を紹介する。次いで、アルコールと健康管理という観点から、総合健診受診者の中で男性4,826名を対象に、自記式質問票から週当たりの摂取エタノール量を算出し、この量と、飲酒内容、生活習慣、検査値との関連を検討した。飲酒量の増加に比例して、より不健康な生活習慣を呈した。喫煙(ブリックマン指数:本数×年数)、受動喫煙の増加、1日の仕事時間の増加と月間の休日日数の減少。食事のアンバランス、塩分過多の食事がみられ、1週間での朝食日数の減少、1週間で夕食が外食である日数が増加した。1日当たりの歯磨き回数、生活改善の実行率、保健指導の希望率は減少した。検査値ではBMI、腹囲、収縮期血圧、拡張期血圧、MCV、ALT、GGT、HDLコレステロール、中性脂肪、空腹時血糖、尿酸はそれぞれ増加、膵アミラーゼは減少した。コリンエステラーゼには差異はみられなかった。いずれもJカーブ現象ではなく、比例関係にあった。
著者
加藤 智弘 伊藤 恭子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.7-21, 2018 (Released:2018-08-16)
参考文献数
89

近年の大腸がんの高い罹患率により大腸がんによる死亡率も高くなり,現在のところ,がん死亡率でみると,男性では3位,女性では1位となっており,診断・治療とともに,その発見も重要な課題項目といえる.その点で大腸がん検診スクリーニングは大きな役割が期待されている.しかしながら,毎年ある程度の受診件数があるものの,精密検査対象者の受診率は他のがんと比較すると圧倒的に低い.このような背景のもと,本稿では大腸がん検診スクリーニングに関する現状と,関連する多くの検査手段について概観した.すなわち,検診のうち,対策型検診で中心となる便潜血検査法について,また,任意型検診,あるいは対策型検診の精密検査対象者への検査として,従来の検査法に加えて,新たな有力な検査法のいくつかについても概説を行った.これらの検査のメリット・デメリットを十分に理解することで,検診受診者に対しては,その情報を還元することにより,結果として,大腸がんの発見,ひいては死亡率の低下をもたらすことに繋がると思われる.
著者
田中 孝 加藤 智弘
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.487-489, 1999-08-25
被引用文献数
3

We investigated the distribution of Kouyawarabi plants (Onoclea sensibilis L.) infested with Pseudomonas plantarii in Yamagata prefecture and confirmed survival activity of the overwintered bacterium in the plants. Of 239 samples collected from 19 locations in the prefecture, 77 leaf samples were infested with the bacterium. The leaf samples collected from Mogami-machi were highly infested with P. plantarii. High infestation rate of bacterial seedling blight of rice was also observed in Mogami-machi area. The plants were artificially inoculated with the organism and exposed outdoors in summer. In the following spring, the bacteria were re-isolated from the leaves, stems and rhizomes of the plants. The pathogenic bacteria were successfully re-isolated from the overwintered whole plants at the level of 1.2×10^4-3.4×10^6cfu/g. Because the organism appears to survive in Kouyawarabi plants under natural conditions in Yamagata prefecture, the plants are considered to be an important infection source of the disease.