著者
片江 祐二 島田 佳宏 松本 康二郎 近藤 秀臣 森 俊陽 西田 茂喜 山下 信行 山元 英崇
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.185-188, 2018-03-25 (Released:2018-05-21)
参考文献数
14

【症例】77歳,女性.主訴:なし.現病歴:約2ヵ月前当院呼吸器外科で肺腫瘍を疑われた.PET-CTで左大腿骨に集積を認め,骨転移を疑われ当科紹介受診となった.肺腫瘍は生検で炎症性病変であり,大腿骨CTでは異常を認めなかったため,大腿部の骨生検は行わなかった.初診5ヵ月後のMRIで大腿骨の病変の増大を認め,腰椎MRIでは年齢の割には脂肪髄が少なかった.内科受診し,血液検査でM蛋白,尿中Bence Jones(以下BJ)蛋白は検出されなかったが,κ/λFLC比の異常を認め,γ-グロブリンは低値だった.胸骨生検を行い,病理診断と臨床像を合わせて非分泌型多発性骨髄腫と診断された.現在,血液内科で薬物治療中である.【考察】非分泌型多発性骨髄腫は多発性骨髄腫の数%の稀な疾患である.血清M蛋白や尿中BJ蛋白は検出されず,診断確定までに時間を要することが多い.原発不明の多発性骨病変があり,MRIで年齢の割に脂肪髄の減少をみたときは骨髄腫を考え,非分泌型も念頭に置くべきである.

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