著者
仲瀬 裕志
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.11, pp.1916-1921, 2013 (Released:2013-11-05)
参考文献数
20

本邦における潰瘍性大腸炎の増加にともない,難治例に対して免疫抑制剤を使用する頻度が増加している.カルシニューリン阻害剤であるタクロリムスは,難治性および重症潰瘍性大腸炎に有効な薬剤である.日本および欧米の今までの報告から,難治例に対するタクロリムス短期治療効果は約70%と考えられる.タクロリムスや抗TNF-α製剤など,潰瘍性大腸炎治療に関するさまざまな治療オプションが増加する中で,われわれはタクロリムスの位置付けを明らかにしていく必要がある.加えて,個々の患者にとってどの治療法が適切であるのかを見極めることは,患者QOLに貢献しうる.これらは,消化器医師にとって今後の重要な課題である.

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