著者
夏 雨
出版者
日中言語文化教育推進会
雑誌
日中言語文化 (ISSN:2435273X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-64, 2022-09-01 (Released:2023-03-26)
参考文献数
16

羅教は明代成化年間に創立された民間宗教であり、明清時代の民間宗教に画期的な影響を与えた。創立者の羅祖 は、謎に包まれ、未だに明らかにされていない部分が多い。歴史上に実在した羅祖とは別に、羅祖に関する伝説は多くの地域に広まった。そのうち、羅教の信者が創作した羅教の起源に関する神話もある。中でも、「羅祖退番兵(羅祖が番兵を退けた)」という伝説は広く知られている。実際、この伝説は羅教の信者が文学作品から影響を受け、戯曲や小説から素材を取り入れて創作したものである。その創作過程を明らかにすることで、羅教の信者自身がどのように歴史を構築し、どのような意識を持っていたかを垣間見ることができる。そこで、本論では「羅祖退番兵」という伝説の形成過程を分析し、それが創作された源流を探り、ひいては、信者の羅教に対する意識を明らかにしたい。

言及状況

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一貫道にもみられ、民間宗教運動に共通した所である。禅祖達磨を祖とする點では僧團仏教と同しだが、六祖慧能以後は別の系統をなしたとする點は恐らく民間宗教が寺院仏教とは別のものだとする一種の対立意識から出たものと思われる。 https://t.co/rQaQAjzptB https://t.co/qmNV6ee6wD

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