著者
毛塚 和宏
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.290-304, 2017 (Released:2018-03-27)
参考文献数
19

本論文では,社会規範の研究において選好の進化によるアプローチが有効である可能性を,具体的な問題に当てはめた分析を通して示す.まず,本論文で用いる分析枠組みを提示する.次に,性別役割分業を題材として,選好の進化による分析例を示す.分析では,C. Hakimの選好理論(Hakim 2000)を,Breen and Cooke(2005)によるモデルをベースとして分析を行う.結果は男女の賃金格差が縮小し,家事・育児のコストが少ない場合に,男性側の選好の変動によって,共働きする夫婦が存在する結果となった.以上の分析結果から社会規範の分析に選好の進化が次の2点で貢献することを示唆する.1点目は意思決定と複製(普及)のメカニズムを別々に扱うことができること,2点目は選好の変動を扱うことができることである.

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これもおもしろそうだ。おちついて探すとポツポツあるものだな。 https://t.co/vt9WPQRggA
選好の進化による性別役割分業の変動分析 https://t.co/49pDmfXnQs

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