著者
石山 昭彦
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.184-189, 2019 (Released:2019-05-08)
参考文献数
20
被引用文献数
1

遺伝性ニューロパチーは, 遺伝子変異など先天的要因により末梢神経の脱髄または軸索障害が生じ, 運動あるいは感覚神経障害をきたす疾患である. 遺伝性運動感覚性ニューロパチー (Charcot-Marie-Tooth病と同義) が代表的な病型であるが, 下肢優位の四肢遠位筋の筋力低下, 足の凹足変形, 逆シャンペンボトルと呼ばれる下肢遠位筋萎縮が臨床的特徴とされる. PMP22重複がFISH検査で確認されるCMT1Aが大半を占めるが, それ以外の病型でも次世代シークエンスの普及により新規遺伝子が同定され, 病態の理解が深まってきている. 診断にあたっては電気生理学的診断および遺伝形式により病型分類がなされ, 遺伝子診断へとすすむ. 鑑別疾患として末梢神経の炎症性疾患である炎症性ニューロパチーがあげられるが時に鑑別が困難なことがある. 遺伝性ニューロパチーの知識の整理を行い, 小児神経科医が知っておくべき末梢神経疾患の理解を深めたい.

言及状況

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#ヒゲジャーナル 末梢神経の脱髄や軸索損傷がおこる遺伝性ニューロパチーはCMTとほぼ同義でありPMP22重複によるCMT1Aが最多を占める。炎症性ニューロパチーとの鑑別を行う。 遺伝性ニューロパチーhttps://t.co/8zQ5iFxWRW

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