著者
田中 学 浜野 晋一郎 今井 祐之 奈良 隆寛
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.269-275, 1999-05-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
10

滑脳症I型は無脳回と厚脳回が混在する型の脳皮質形成異常である.本症の乳児例を5例経験し, 頭部CT所見に基づいた形態学的な重症度分類を用いて, てんかん発症当時の発作間欠時脳波, 発作型および臨床症状を検討した.てんかんの発症は生後2カ月から4カ月で, 広汎性無脳回の症例は全身強直発作で発症し, 厚脳回の混在する例では, 部分発作やtonic spasmsで発症した.全例とも発作はその後tonic spasmsに移行した.頭部CTにおいて脳表に占める厚脳回の比率が増すほど, 脳波では無脳回の症例に多いα波よりも高振幅δ波が優位になる傾向がみられた.その他に全例を通して多焦点性の高振幅徐波, 棘波や鋭波がみられた.これらは厚脳回の形成が不規則であることの影響と考えられ, 画像所見との相関が示唆された.

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