著者
石丸 正 作本 真 長山 郁生
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.525-530, 1994-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
8

87歳女性の絞頸自殺未遂患者の耳鼻咽喉所見をとる機会を得た。顔面, 外耳道, 鼓膜, 口腔粘膜, 舌, 鼻粘膜などに溢血を認め, 喉頭蓋に浮腫を認めた。喉頭蓋の浮腫は, 2日後の, 耳を除く溢血は1週間後の再診時には消退していた。絞頸により, 頸静脈系が閉塞したにも関わらず, 頸動脈系と異なり外部からの圧迫の影響を受けにくい椎骨動脈系の血流が維持されたためと思われる。ほぼ経過観察のみで治癒したが, これは喉頭外傷の面から見た場合は, 軽症であったためと思われる。被絞頸患者を診察する場合, 外見に気をとられることなく, ファイバースコープなどを操使して喉頭所見を確認することが重要である。

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https://t.co/dMRBu2l7wf 絞頸自殺者における所見の考察で 椎骨動脈が外部からの力の影響を受けにくいとの記述があるから 手で押さえるくらいじゃ椎骨動脈を遮断するのは難しそう
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