著者
佐藤 徳
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.50-59, 2008-09-01 (Released:2008-10-24)
参考文献数
34
被引用文献数
3 3

反社会性人格障害(ASPD)は,違法行為の反復,人をだます傾向,衝動性,無責任性,良心の呵責の欠如によって特徴づけられる。本研究は,2つの行動選択課題を用いて,ASPD傾向者が高い衝動性を示すかを検討した。遅延価値割引課題では,参加者は,即時小報酬と遅延大報酬の間で選択を行う。衝動性は即時小報酬への選好と定義される。他方,確率価値割引課題では確実な小報酬と不確実な大報酬との間で選択を行う。衝動性は不確実な大報酬への選好と定義される。16名のASPD傾向者と19名の健常者が両課題を行った結果,まず,遅延価値割引課題ではASPD傾向者は健常者より急激に遅延報酬の価値を割り引くことが示された。確率価値割引課題では両群の差はなかった。遅延価値割引は,「反社会的行為の反復」ならびに「性的関係における無責任性・搾取性」と有意に関連していた。本結果から,長期的な結果の価値を切り下げることがいくつかのASPD症状の根底にあることが示唆された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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反社会性人格障害についての文献について、この文献が読んでいて難しいのですが、どのような事を書いているのか要約して頂きたいです。また、この文献を読んでどう感じられたか教えて欲しいです。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/17/1/17_1_50/_pdf/-char/ja
書いてある内容は一応反社会性人格障害の特性に整合しますが、 断定するには足りません。 他人の希望や権利や感情を無視し,自分の個人的な利益や快楽のために嘘をついたり人を操作したりする。 将来の計画を立てられず,衝動的で,深く考えずにすぐに決断し,それが自分や他人に及ぼす結果について顧みることもない。 怒りやすく攻撃的な面があり,身体的な喧嘩や暴力を繰り返す。 自分自身または他人の安全を ...
部室の詳細な状態次第ではありますが 法律的には、それは窃盗ではありません、各種横領罪になると思います。 心理の方の答えですが ASPD を持つ人は,実際に逮捕されるかどうかは別として,窃盗,所有物の破壊,他人を困らせるなど,逮捕に値するような違法行為を繰り返す... https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/17/1/17_1 ...

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貧困犯罪者を集めての実験で「報酬が早い方を有意に」当たり前だろそういう被験者を集めた時点でわかる。そんなのを実験とも呼ばない

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J-STAGE Articles - 反社会性人格障害傾向者における遅延ならびに確率による報酬の価値割引 https://t.co/2zjaJwiwRF
@studiocorvo これ見てます。 https://t.co/DUj4U1zI9H

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