著者
鈴木 良雄
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.95-99, 2011-04-30 (Released:2014-11-21)
参考文献数
39

スポーツにおいてサプリメントとして利用されているアミノ酸のうち, 分岐鎖アミノ酸 (Branched-chain amino acid;BCAA) とグルタミンについて, ヒトで観察されている効果とそのメカニズムについて最近の知見を紹介する. BCAAは, 比較的大量に摂取した場合に, 遅発性筋痛を軽減し, そのメカニズムとしてロイシンによるmTORを介したタンパク代謝の調節があると考えられている. グルタミンは, 術後感染性合併症低下させたり, 運動後の免疫抑制を軽減したりするが, そのメカニズムは当初考えられていた血漿グルタミン濃度の維持による免疫細胞の機能維持ではなく, HSPを介した身体ストレスの軽減であると考えられるようになってきている. グルタミンには, 運動後のグリコーゲンの回復を促進する作用も報告されているほか, 安定なグルタミン素材である小麦グルテン加水分解物 (Wheat Gluten Hydrolysate;WGH) により運動中の血漿グルタミン濃度を維持すると持久運動が可能になる可能性も示唆されている. またWGHには遅発性筋痛を軽減する効果のあることも報告されている.

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J-STAGE Articles - スポーツにおけるアミノ酸の使用法とその効果 https://t.co/JbkS26ge01 ロイシンはmTORを介したタンパク質も調整に関わる。mTORは抗がん剤の作用機序でしか見たことなかったけど、本来はこっちか。
https://t.co/DtSXA28xPq スポーツにおけるアミノ酸の使用法とその効果**

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