著者
大津 宏康 見掛 信一郎 井尻 裕二 坂井 一雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.101-114, 2006-12-05 (Released:2010-06-04)
参考文献数
14

亀裂性岩盤中でのトンネル掘削においては, 断層破砕帯等の不良地山の出現や突発湧水の発生等により, 多大なコストオーバーランおよび, 長期にわたる工期延長を余儀なくされた事例が数多く報告されている. そのため本研究では, 筆者らがこれまでに示してきた地盤統計学を用いて推定する掘削コストに, 破砕帯の出現あるいは突発湧水等の発生に対する対策工の施工に要するコストを加えた建設コストを推定する手法を提案することを目的とする. 建設コスト評価手法においては, 金融工学分野で用いられるリスクという概念を導入し, リスクカーブや, バリューアットリスクといった評価手法を用いる. 具体的には, 健岩部については岩盤等級分類に基づいて, 支保工を選択し掘削コストを算出する手法をとる. 対策工の施工を要する破砕帯の出現あるいは突発湧水等が発生する可能性の評価については, 不連続性亀裂岩盤における地下水解析に用いられる亀裂ネットワークモデルを適用する. さらに建設コスト評価手法を, 実際の岩盤データを用いて検証し, 掘削コストおよび対策工の施工コストからなるトンネル建設コストの評価結果について示した.

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@matsuchiyo1976 断面積が小さいと安くなるのは当たり前ですが、地下水が多い地域だと、そんなに安くならなさそうな印象ですね

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