著者
井上 睦夫 小藤 久毅 小村 和久
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.601-609, 2004-11-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

海藻 (ホンダワラ) 試料における微量人工放射性核種 (108mAg, 110mAg, 54Mn及び60CO) のバックグラウンドレベルの把握のため, 3通りのγ線測定 (method-1, 尾小屋地下測定室のGe-LEPS使用; method-2, 測定試料からの40K除去+地下測定室のGe-LEPS; method-3, 40K除去+地下測定室の井戸型Ge) を適用した。method-3の測定条件においては, ~8mBq/kg-fresh (108mAg, 110mAg, 60Co) という著しく低い最低検出濃度での測定が可能になった。更に1998年12月から2002年6月にかけ志賀原子力発電所付近で採取されたホンダワラ, 72試料に対して, 低バックグラウンドγ線測定 (40K除去+地下測定室) による環境放射能モニタリングを行った。その結果, ホンダワラにおけるフォールアウト核種, 137Csは, 0.2Bq/kg-fresh以下 (大部分は, 0.1Bq/kg-fresh以下) , 他の人工放射性核種は, 検出限界以下 (108mAg, 110mAg, <15mBq/kg-fresh; 54Mn, <20mBq/kg-fresh; 60Co, <25mBq/kg-fresh) であるなど, 志賀原子力発電所あるいは旧ソ連の放射性物質の海洋投棄などによる汚染の形跡はみられなかった。

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