著者
小村 和久
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.276-282, 1995-12-20 (Released:2010-07-22)
参考文献数
17
被引用文献数
1
著者
小村 和久 柳沢 美樹男 桜井 次郎 阪上 正信
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.529-536, 1985-10-15 (Released:2010-12-13)
参考文献数
17
被引用文献数
3 11

2種のリン鉱石および市販の7種のリン酸肥料 (複合肥料も含む) についてウラン, トリウム, カリウム含有量とウラン系列, トリウム系列核種の放射平衡の状態について測定した。コラ産のリン鉱石以外の試料のウラン含有量は39-117ppmと高く, ウラン系列核種はほぼ放射平衡のものから著しく非平衡のものまで存在することが分かった。平衡の状態を, (1) 放射平衡かこれに近いもの, (2) 238U≈230Th>210Pb>226Ra, (3) 238U>230Th>210Pb>226Raのもの3つに分類して検討した。トリウム系列核種はほぼ放射平衡で含有量も一般に低く, 複合肥料以外はカリウム (K2O) 含有量は0.3%以下であった。これらの測定結果をもとにリン鉱石, リン酸肥料による放射線被曝についても検討した。
著者
井上 睦夫 小村 和久
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.13-25, 2001-03-20 (Released:2017-01-04)
参考文献数
65

Activities of cosmogenic nuclides have been numerously reported for extraterrestrial material, meteorites (especially chondrites). In addition to noble gases, cosmogenic radionuclides (e.g., 22Na, 26Al, 46Sc, 53Mn, 54Mn and 60Co) have also kept important records of their history during last ten million years. For example, low 60Co activity observed in most chondrites (<30 dpm/kg) suggests that their preatmospheric radii are less than 〜30 cm, and activities of 22Na and 26Al reflect various irradiation conditions by cosmic-ray such as shielding effect, exposure age and cosmic-ray flux with time and space. Terrestrial age (Antarctic meteorites; H group, <0.4×106y; L, LL,<106y estimated from 26Al, 36Cl and 14C activities) as well as exposure age (H, 3 -40×106y; L, LL, 3 -50×106y) shows different distributions between H- and L-, LL-group chondrites, which have possibly preserved the information about breakage of parent body and so on. The combined data of exposure age and activities of cosmogenic nuclides also give constraints on the complex history of chondrites (e.g., multi-stage irradiation as a result of fragmentation) until the collision with the Earth. Recently, with the progress of nondestructive γ-ray techniques, activities of relatively short-lived nuclides such as 46Sc, 22Na implied the irradiation conditions just before fall to the Earth. In this paper, "the evolution history of chondrites after separation from the parent body" is represented from activities of cosmogenic radionuclides in meteorites including recently fallen ones.
著者
廣瀬 勝己 青山 道夫 小村 和久 津旨 大輔 熊本 雄一郎
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

海洋研究開発機構 海洋地球研究船「みらい」が2003年から2004年に実施した南太平洋を含む世界一周航海ですでに得られたデータを組み込んだ、海洋のマルチトレーサーデータベースを完成させることができた。放射性セシウムの新しいソースタームと解像度を上げた海洋大循環モデルによる再現計算を行った。データベースを利用して解析したところ、^<239,240>Pu/^<137>Cs 比が、表層から水深約1000mまで指数関数的に増加していることを見出した。世界で始めて、南太平洋、南大西洋およびインド洋の薄明領域(水深100m-1000m)の粒子状配位子の分布を求めることができた。
著者
井上 睦夫 小藤 久毅 小村 和久
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.601-609, 2004-11-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

海藻 (ホンダワラ) 試料における微量人工放射性核種 (108mAg, 110mAg, 54Mn及び60CO) のバックグラウンドレベルの把握のため, 3通りのγ線測定 (method-1, 尾小屋地下測定室のGe-LEPS使用; method-2, 測定試料からの40K除去+地下測定室のGe-LEPS; method-3, 40K除去+地下測定室の井戸型Ge) を適用した。method-3の測定条件においては, ~8mBq/kg-fresh (108mAg, 110mAg, 60Co) という著しく低い最低検出濃度での測定が可能になった。更に1998年12月から2002年6月にかけ志賀原子力発電所付近で採取されたホンダワラ, 72試料に対して, 低バックグラウンドγ線測定 (40K除去+地下測定室) による環境放射能モニタリングを行った。その結果, ホンダワラにおけるフォールアウト核種, 137Csは, 0.2Bq/kg-fresh以下 (大部分は, 0.1Bq/kg-fresh以下) , 他の人工放射性核種は, 検出限界以下 (108mAg, 110mAg, <15mBq/kg-fresh; 54Mn, <20mBq/kg-fresh; 60Co, <25mBq/kg-fresh) であるなど, 志賀原子力発電所あるいは旧ソ連の放射性物質の海洋投棄などによる汚染の形跡はみられなかった。
著者
小村 和久 稲垣 美幸 西川 方敏 中西 孝 早川 和一 唐 寧 楊 小陽 飯田 孝夫 森泉 純
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.335-342, 2007-09-25 (Released:2017-05-16)

環境放射能の観点から能登半島地震発生前後の放射能関連のデータの解析を試みた.解析したのは,輪島市西二又地区で採取した大気浮遊塵中の210Pb,輪島沖50kmに位置する舳倉島のラドン濃度,地震発生後の4月21日から西二又地区で連続測定を実施した空間γ線レベルの3項目である.その結果,地震発生約3週間前から大気浮遊塵試料のラドンの娘核種210Pbの濃度が増加し,地震直前にピークに達した後に低下に転じ,約2週間後にほぼ平常値に回復していたことが分かった.舳倉島のラドンには地震の影響は見られなかったが,西二又における空間γ線レベルはラドンに由来すると考えれる高い値が約6週間後も続き5月中頃に平常値に戻ったことが明らかになった.
著者
小村 和久 稲垣 美幸 西川 方敏 中西 孝 早川 和一 唐 寧 楊 小陽 飯田 孝夫 森泉 純
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.335-342, 2007-09-25
参考文献数
5
被引用文献数
1

環境放射能の観点から能登半島地震発生前後の放射能関連のデータの解析を試みた.解析したのは,輪島市西二又地区で採取した大気浮遊塵中の^<210>Pb,輪島沖50kmに位置する舳倉島のラドン濃度,地震発生後の4月21日から西二又地区で連続測定を実施した空間γ線レベルの3項目である.その結果,地震発生約3週間前から大気浮遊塵試料のラドンの娘核種^<210>Pbの濃度が増加し,地震直前にピークに達した後に低下に転じ,約2週間後にほぼ平常値に回復していたことが分かった.舳倉島のラドンには地震の影響は見られなかったが,西二又における空間γ線レベルはラドンに由来すると考えれる高い値が約6週間後も続き5月中頃に平常値に戻ったことが明らかになった.
著者
小村 和久 井上 睦夫 浜島 靖典 山本 政儀 中西 孝
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

(1)本研究遂行にもっとも重要な極低バックグラウンドGe検出器の性能アップを目的に、プラスチック検出器による逆同時計数法適用のための基礎研究を実施した。ウイーンで開催の国際会で発表。Journal of Applied Radiation and Isotopes誌に論文掲載決定。(2)放射化法による中性子計測法基礎研究のため、近畿大学の1ワット原子炉原子炉稼動時の中性子分布を測定。(3)2001年開始の青森県六ヶ所村での中性子モニタリングを継続,成果を研究会で発表。(4)極低バックグラウンドγ線計測による低レベル中性子評価関連の成果とともに論文として掲載。(5)Cf-252中性子線源を用いて金を放射化、所有の10ゲ台ルマニウム検出器の効率を評価(6)海中の中性子分布の深度深度分布測定のための最適条件を得るため、小木臨海実験所で3度水中照射実験を実施。(7)獅子吼高原(海抜640m)と辰口(海抜約30m)で環境中性子の同時測を行った。環境放射能研究会(つくば2004.3)で発表(8)海抜2100m地点で1年以上おいて中性子暴露した水試料の放射能測定を実施。(9)原爆中性子による極低レベル誘導核種152Eu評価のための分析手法について検討した。中でも妨害が大きアクチニウムとの相互分離に充填重点をおいて研究し分析法を確立。(10)前年度の測定で原爆中性子誘導放射性核種Eu-152の実測と理論計算値爆心から1.4kmまで一致することを報告。成果はサイエンス誌に投稿。原爆放射線被爆評価法DS02で発表。(11)JCO事故の漏えい中性子誘導核種のうち、スプーン等のステンレス鋼中に生成したCo-60の論文がJ.Environmental Radioactivity誌に掲載決定。放射化による低レベル中性子評価に関する基礎および応用研究で放射線影響協会より第3回放射線影響研究功績賞受賞。(2003.3)