著者
川崎 翼 河野 正志 兎澤 良輔
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.306-310, 2017 (Released:2017-08-20)
参考文献数
21

【目的】本研究の目的は,経験した運動スキルを他者に教授することの即時的な運動学習効果を明らかにすることであった。【方法】参加者は若年成人23 名であり,教授群12 名,コントロール群11 名に分けられた。運動学習課題は,2 つの球を非利き手で回す課題とした。教授群は球回しの練習後,1 分間の球回しパフォーマンスが計測された。この後,球の回し方について教授群は聞き手に教授した。その直後と2 分後に再度,パフォーマンスを計測した。コントロール群は教授群と同様の手続きであるが,教授は行わず科学雑誌を音読した。【結果】教授群のみ球回し回数が有意に増加した。また,教授群はコントロール群に比べて,球回しの改善回数が有意に多かった。【結論】他者に経験した運動スキルを教授することは,即時的に運動学習を促進する可能性が示された。

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