著者
岩垣 博巳 日伝 晶夫 淵本 定儀 折田 薫三 米山 勝 堺 修造
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.2343-2346, 1992-10-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
15

大腸癌患者の腸内環境を健常成人と比較検討した.患者群の糞便水分は健常者群より高値を,また糞便pHも高値を示した.各種有機酸濃度は健常者群より一様に低値を示したが,コハク酸に限り,高濃度かつ有意に高頻度で検出された.内因性endotoxin産生に関与するグラム陰性菌の菌数および占有率は,両群間で有意な差を認めなかった.患者群の糞便から検出される主要な細菌叢は健常者群に近似していたが, Staphylococcusをはじめとする好気性菌を高頻度に検出し,大腸癌患者においては好気的腸内環境にあることが示唆された.

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大腸癌患者と腸内細菌叢 われわれの測定結果は,嫌気性菌群に差は認められないが,好気性菌群が大腸癌 症例に多く認められた.いずれの結果も,大腸癌症例の腸内環境が好気的状態にあることを示唆する.これは大腸内の酸素張力の増加と酸化還元電位の上昇を意味する. https://t.co/NHOq1jW9Qr

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