著者
東 禹彦
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.347-353, 2008 (Released:2010-12-06)
参考文献数
4

2004年4月からの3年間に東皮フ科医院を受診した爪甲鈎彎症患者は女性82名,男性6名であった。30歳代の女性が26名であった。爪甲を削って平坦化したのは6名で,QOLは改善した。4例の軽症例では絆創膏による牽引のみで治療したが,全例軽快あるいは治癒した。根治術としては抜爪数ヵ月後に末節骨を削って爪床を平坦化する手術を行い,爪床形成術後は絆創膏による牽引を行った。術後1年以上経過した症例は27例,35趾で,25趾では治癒あるいは略治となった。他の10趾では不成功となった。不成功の原因は,適応外の症例に行ったもの,途中で受診しなかったもの,絆創膏による牽引が不十分だったものなどである。爪甲鈎彎症は治療により正常化し得る疾患であることを強調したい。

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