- 著者
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正木 康史
- 出版者
- 日本口腔・咽頭科学会
- 雑誌
- 口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.1, pp.77-81, 2018 (Released:2019-03-31)
- 参考文献数
- 20
IgG4関連疾患は21世紀に入り本邦より発信された原因不明のリンパ増殖性疾患で,IgG4産生形質細胞が全身諸臓器で腫瘤性病変を形成し,高IgG4血症を呈する.IgG4関連疾患は初期には中等量ステロイド治療が著効する.しかしながら多くの鑑別疾患でも,高IgG4血症や組織中IgG4陽性形質細胞増多を認めることがあり注意を要する.治療は副腎皮質ステロイドprednisolone中等量内服より開始,慎重に漸減し,症状や臨床データの推移をもとに維持量を決定するのが望ましい.本疾患は頭頸部領域に病変を有する症例が多く,内科と耳鼻咽喉科の連携が重要である.