- 著者
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栗田 秀實
植田 洋匡
- 出版者
- Japan Society for Atmospheric Environment
- 雑誌
- 大気汚染学会誌 (ISSN:03867064)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.4, pp.251-260, 1985-08-20 (Released:2011-11-08)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
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8
傾度風が弱い場合に大気汚染物質の長距離輸送を引き起こす総観規模の気象条件について, 気圧, 地上風, 高層気象データに基づいた解析を行った。特に, 長距離輸送に最も重要な役割を果す, 内陸の山岳地帯に日中に形成される熱的低気圧と, 高層気象の特徴に注目した。長距離輸送は高気圧に覆われ, 上層風が弱い場合に発生する。このとき, 大気下層では局地風が発達し, 熱的低気圧および総観規模の高気圧に伴う沈降性逆転によりこれらの局地風が結合され, 熱的低気圧に吹き込む太平洋側からと璃本海側からの2つの大規模な風系が形成される。そして, 総観規模の気圧分布は熱的低気圧の中心位置, したがって, 2つの大規模風系の収束線の位置を決定し, その結果, 長距離輸送による大気汚染物質の到達範囲を決定する。