著者
岡庭 信司
出版者
一般社団法人 日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.294-307, 2019-05-31 (Released:2019-06-17)
参考文献数
29
被引用文献数
1

超音波(US)は簡易で低侵襲なことから,スクリーニングにも広く用いられている.しかし,胆道は解剖学的な位置関係が複雑であるだけでなく,肥満や消化管ガスにも影響を受けやすいことからUSによる描出が困難な領域でもある.胆道の描出は仰臥位よりも左側臥位の方が容易であり,小さな病変の拾い上げには高周波プローブや拡大観察が必須である.胆嚢は多重反射やサイドローブといったアーチファクトに注意が必要である.さらに,US像を有茎性隆起型,広基性隆起型,壁肥厚型の3群に分類すると,鑑別のみならず深達度診断にも有用である.肝外胆管は逆“く”の字の走行をしているため,プローブを時計方向に回転させ,患者の右側に向けながら足側に進めると,肝門部領域から遠位胆管まで描出できる.さらに,虚脱や胆泥の貯留を伴う腫大といった胆嚢の異常像は,潜在的な胆管病変の拾い上げに有用である.

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