- 著者
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白石 一成
- 出版者
- 宮城県水産研究開発センター
- 巻号頁・発行日
- no.3, pp.45-51, 2003 (Released:2011-03-05)
宮城県北部の浅海岩礁域5箇所において、アワビ類とウニ類、海藻類および植食動物、肉食動物の現存量調査を実施した結果、キタムラサキウニでは水深が深い所により多く、無節サンゴモとの関連がみられた。更に、植食動物のクボガイではホンダワラ類のアカモクや小型海藻類を、バテイラでは大型海藻類のアラメを餌料および棲息場として利用していると考えられた。エゾアワビでは、その出現がアラメの分布と関係することから、バテイラとの間で餌料の競合関係にあるとみられた。また各箇所で、アワビ類、ウニ類および植食動物は、餌料となる海藻類に制約される形で出現していることも明らかとなった。一方、肉食動物のヤドカリ類とイトマキヒトデは各箇所で出現が認められたが、海藻類の少ない箇所ではヤドカリ類が多く出現しアワビ類等の幼稚仔がより捕食され易い状況にあるものと考えられた。