著者
小西 博郷 小河原 孝司 島本 桂介 冨田 恭範
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
巻号頁・発行日
no.17, pp.43-46, 2010 (Released:2011-07-26)

温湯をイチゴ苗上に散布することによる病害防除の可能性について検討した。炭疽病菌の接種前または接種後に温湯を散布することでイチゴの葉における炭疽病の病斑数は無処理区と比較して共に減少し、灰色かび病についても同様の傾向が認められた。温湯散布条件としては、炭疽病菌および灰色かび病菌接種前後で散布時間を30秒間に設定した場合は40℃以上で、温度を50℃に設定した場合は散布時間10秒間以上で効果があり、温湯散布の効果には温度依存的および時間依存的な傾向が見られた。また、45℃、30秒間の温湯散布ではイチゴ苗に熱害の影響は見られなかった。以上より、温湯散布にはイチゴの炭疽病および灰色かび病に対する予防効果および発病進展抑制効果の両方があると考えられ、イチゴ栽培における温湯散布実用化への可能性が示唆された。

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