出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
雑誌
茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告 = Bulletin of the Horticultural Institute, Ibaraki Agricultural Center (ISSN:09194975)
巻号頁・発行日
no.11, pp.32-36, 2003-03

カーネーションの2年切り栽培における好適品種を選定するとともに、定植1年目と定植2年目において品種特性との関連性について検討した。1.'エクセリア'、'フェアリーピンク'、'フラッフィー'、'ライトピンクバーバラ'、'ボサンスカ'が2年切り栽培に適していた。2.定植1年目採花本数と定植2年目採花本数、定植1年目着蕾数および下垂度と、定植2年目着蕾数および下垂度との間に有意な相関が認められた。3.定植1年目の採花本数は、2年切り栽培の品種選定の基準として実用的であった。
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
雑誌
茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告 = Bulletin of the Horticultural Institute, Ibaraki Agricultural Center (ISSN:09194975)
巻号頁・発行日
no.17, pp.9-15, 2010-03

秋どりレタス栽培において、湿害に強い品種の選定、地下水位とレタスの生育関係および高畝・全面マルチの適用性を検討した。1.播種期別に計19品種を供試し、8月25日播種において湛水処理で調製重は中位であるが、A品球発生率が最も高い'ゴジラ'、および9月6日播種では湛水処理で調製重が大きく、A品球発生率が比較的高い'スターレイ'を選定した。2.地下水位が低い高畝栽培は、地下水位の影響が少なく、A品収量が無処理と同等であることから、湿害軽減に効果があると考えられた。3.高畝・全面マルチ栽培は土壌水分が高く推移し、変動が少ないことから生育の促進および生育揃いが良好となり、適用性が高いと考えられた。
著者
門脇 伸幸 本図 竹司 駒形 智幸
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
雑誌
茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告 = Bulletin of the Horticultural Institute, Ibaraki Agricultural Center (ISSN:09194975)
巻号頁・発行日
no.16, pp.25-31, 2008-03

吸水種子の低温処理を用いたトルコギキョウ10〜12月出荷作型において、延べ88品種を供試して各品種のロゼット性と切花特性を調査し、ロゼット化しにくく、切花品質が優れる品種を選定した。採花率90%以上、茨城県切花出荷規格L以上、そして葉先枯れ等の生理障害が発生しない、極めて営利性の高い優良品種は、'ロマンスグリーン'1品種であった。これに次ぐ、採花率90%以上、茨城県切花出荷規格M以上、そして葉先枯れ等の生理障害が発生しない優良品種は、'ボレロホワイト''ニューリネーションホワイト''ピノキオ''ブルーシルエット''モコホワイト''ボレログリーン''セレモニースノー''セレモニーブルーフラッシュ'の8品種であった。
著者
小西 博郷 小河原 孝司 島本 桂介 冨田 恭範
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
巻号頁・発行日
no.17, pp.43-46, 2010 (Released:2011-07-26)

温湯をイチゴ苗上に散布することによる病害防除の可能性について検討した。炭疽病菌の接種前または接種後に温湯を散布することでイチゴの葉における炭疽病の病斑数は無処理区と比較して共に減少し、灰色かび病についても同様の傾向が認められた。温湯散布条件としては、炭疽病菌および灰色かび病菌接種前後で散布時間を30秒間に設定した場合は40℃以上で、温度を50℃に設定した場合は散布時間10秒間以上で効果があり、温湯散布の効果には温度依存的および時間依存的な傾向が見られた。また、45℃、30秒間の温湯散布ではイチゴ苗に熱害の影響は見られなかった。以上より、温湯散布にはイチゴの炭疽病および灰色かび病に対する予防効果および発病進展抑制効果の両方があると考えられ、イチゴ栽培における温湯散布実用化への可能性が示唆された。
著者
小河原 孝司 冨田 恭範 田中 有子 長塚 久
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
巻号頁・発行日
no.14, pp.35-42, 2006 (Released:2011-03-05)

茨城県内現地におけるトマト灰色かび病の発生実態と防除対策について調査し、BS剤の防除効果を最大限に発揮させるための温度条件並びにその防除効果の持続期間について検討した。また、BS剤を組み入れた防除体系の有効性について検討した。1.トマト促成栽培における殺菌剤散布は、主に灰色かび病防除が目的であり、本病が主要病害であった。2.トマト灰色かび病に対するBS剤の防除効果は、気温15℃以下では低く、20-25℃において高かった。3.灰色かび病多発生条件下において、BS剤は、メパニピリム水和剤と比較し、薬剤散布18日後までほぼ同等の防除効果が認められた。4.BS剤を防除体系の中に組み入れ、発病葉除去等の耕種的防除を徹底し、化学合成殺菌剤の散布回数を3割程度削減した場合、生育後半の葉における灰色かび病の発生はやや増加したが、果実では十分な防除効果が認められた。
著者
本図 竹司
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
雑誌
茨城県農業総合センター園芸研究所特別研究報告
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-70, 2001-03
被引用文献数
1

5~8℃の低温の後作用を利用した、実際栽培での低温処理法の改善について検討した。オランダ産の'エレガンス'球茎を早期に入手し、5~10℃湿潤の低温処理を行って8月下旬に定植すると、10℃よりも8℃の処理で、これまで不可能であった9月末に高品質の切り花が得られた。一方、5℃では出荷が10月中旬とやや遅れるが、8℃よりさらに高品質の切り花を出荷することが可能であった。また、'アラジン'と'シンデレラ'では、10℃に比べ8℃で葉の軟弱化による垂れや花茎の曲がりの発生が少なくり、切り花の商品性を向上させることができた。 'ブルーヘブン'を用い、従来の10℃湿潤の低温処理を行う前、あるいは行った後に5~8℃湿潤条件で3~5週間置いたところ、開花が早まるとともに高温障害の発生を抑制することができた。その際、低温処理の初期に5~8℃においた場合に効果がより高かった。 低温の後作用を簡便に利用するため、さらに低温処理中の芽の伸びを抑えるために、10℃乾燥での低温処理の利用について'エレガンス'を用い検討したところ、湿潤状態での10℃低温処理を行う前に乾燥状態での10℃低温処理を加えると、開花が早まるとともに低温処理中の芽の伸びが抑えられ、作業効率を高められることがわかった。 実際栽培で懸念されている低温処理中の最高・最低温度の較差については、花芽形成適温域をはずれる時間が長くなければ影響がないことがわかった。 近年発表された高温開花性品種を用いることは、低温処理期間の短縮、および従来の品種では開花できない高温条件での開花が可能となり、高温期生産に有用と認められた。
出版者
茨城県農業総合センター園芸研究所
雑誌
茨城県農業総合センター園芸研究所研究報告 = Bulletin of the Horticultural Institute, Ibaraki Agricultural Center (ISSN:09194975)
巻号頁・発行日
no.16, pp.25-31, 2008-03

吸水種子の低温処理を用いたトルコギキョウ10〜12月出荷作型において、延べ88品種を供試して各品種のロゼット性と切花特性を調査し、ロゼット化しにくく、切花品質が優れる品種を選定した。採花率90%以上、茨城県切花出荷規格L以上、そして葉先枯れ等の生理障害が発生しない、極めて営利性の高い優良品種は、'ロマンスグリーン'1品種であった。これに次ぐ、採花率90%以上、茨城県切花出荷規格M以上、そして葉先枯れ等の生理障害が発生しない優良品種は、'ボレロホワイト''ニューリネーションホワイト''ピノキオ''ブルーシルエット''モコホワイト''ボレログリーン''セレモニースノー''セレモニーブルーフラッシュ'の8品種であった。