著者
三明 清隆 柚木 恵太 川村 純 府中 英孝 杉山 雅昭 大西 正男
出版者
Zootechnical Science Society of Japan
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.153-161, 2014 (Released:2014-09-03)

プラズマローゲン(Pls)は神経炎症抑制やアミロイド形成抑制効果を有し,アルツハイマー病の治療や予防に利用できる可能性がある。親鶏の皮および筋肉部のリン脂質(PL),特にPlsの組成を調べた。皮のPL画分のスフィンゴミエリン(19%)は,他の3つの筋肉組織(6%)に比べて多く含まれていた。皮PLの21%がエタノールアミンプラズマローゲン(PlsEtn),6%がコリンプラズマローゲン(PlsCho)であった。ムネではPlsChoはPlsEtnの1.8倍多く含まれていたが,モモではPlsChoとPlsEtnは同量含まれていた。Plsの脂肪酸組成としては,皮ではn-6系の20:4や22:4が多く,筋肉組織では18:1が多く検出された。皮エタノール抽出画分(高PlsEtn型)とムネ肉エタノール抽出画分(高PlsCho型)をホスホリパーゼA1処理し,ヘキサン,アセトンおよび溶解分画することにより高純度プラズマローゲン画分を容易に調製できた。皮,ムネとも鶏種および飼育環境の違いによるPL組成の変動は少ないため,親鶏は安定したPlsの供給源として有望であることが確認できた。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

収集済み URL リスト