著者
木下 幹朗 柚木 恵太 得字 圭彦 川原 美香 大庭 潔 弘中 和憲 大西 正男
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.53-55, 2009-01-15 (Released:2009-02-28)
参考文献数
11

食餌性ナガイモの大腸腺腫発症に与える効果を他のイモ類と比較しつつ,1,2-ジメチルヒドラジン投与マウスを用いて調べるとともに,ナガイモを利用した商品モデル(ナガイモ入り青汁)の効果についても検証した.その結果,ナガイモ以外のイモ類においても上記の実験動物モデルにおいて大腸腺腫抑制効果が観察されたが,腺腫数の平均はナガイモ群が一番低かった.また,商品モデルであるナガイモ入り青汁ついても腺腫抑制効果が観察された.
著者
木下 幹朗 柚木 恵太 得字 圭彦 川原 美香 大庭 潔 弘中 和憲 大西 正男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.270-275, 2008-06-15 (Released:2008-07-31)
参考文献数
34
被引用文献数
4 2

ナガイモのガンに対する機能性を探索する目的で,1,2-ジメチルヒドラジン投与マウスにおける大腸腺腫(ACF)発症に与える食餌性ナガイモ粉末の効果を検証した.ナガイモ粉末をAIN-93G標準飼料のコーンスターチ部分に100%または50%置き換えて投与したところ,大腸腺腫の発症が有意に抑制された.また,加熱および非加熱の生ナガイモ粉末ともに同様の効果が認められた.DNAマイクロアレイを用いて大腸での遺伝子の異同を調べたところ,ナガイモ投与群ではアポトーシスを誘導する遺伝子群の増加が認められた.
著者
柚木 恵太 安井 美裕 大西 正男
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.274-278, 2004

ワイン中の機能性物質のひとつであるリスベラトロールとその関連物質について,ワインの発酵過程での含量変化を分析した.(1) アルコール発酵3日目からのアルコール濃度の上昇とともにリスベラトロールは果皮から抽出され,発酵6日目でほぼ平衡に達した.その過程で,シス異性体の割合が増加し,発酵後半ではトランス体のみが減少していたことから,酵母由来のイソメラーゼ活性により発酵中にリスベラトロールの異性化が起きていることが示唆された.(2) 乳酸発酵過程において,リスベラトロールの増加とパイシードの減少が観察され,果皮から移行したパイシードが乳酸菌由来のβ-グルコシダーゼ活性によって加水分解されてリスベラトロールに変換されるものと推測された.
著者
三明 清隆 柚木 恵太 川村 純 府中 英孝 杉山 雅昭 大西 正男
出版者
Zootechnical Science Society of Japan
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.153-161, 2014 (Released:2014-09-03)

プラズマローゲン(Pls)は神経炎症抑制やアミロイド形成抑制効果を有し,アルツハイマー病の治療や予防に利用できる可能性がある。親鶏の皮および筋肉部のリン脂質(PL),特にPlsの組成を調べた。皮のPL画分のスフィンゴミエリン(19%)は,他の3つの筋肉組織(6%)に比べて多く含まれていた。皮PLの21%がエタノールアミンプラズマローゲン(PlsEtn),6%がコリンプラズマローゲン(PlsCho)であった。ムネではPlsChoはPlsEtnの1.8倍多く含まれていたが,モモではPlsChoとPlsEtnは同量含まれていた。Plsの脂肪酸組成としては,皮ではn-6系の20:4や22:4が多く,筋肉組織では18:1が多く検出された。皮エタノール抽出画分(高PlsEtn型)とムネ肉エタノール抽出画分(高PlsCho型)をホスホリパーゼA1処理し,ヘキサン,アセトンおよび溶解分画することにより高純度プラズマローゲン画分を容易に調製できた。皮,ムネとも鶏種および飼育環境の違いによるPL組成の変動は少ないため,親鶏は安定したPlsの供給源として有望であることが確認できた。
著者
三明 清隆 柚木 恵太 川村 純 府中 英孝 杉山 雅昭 大西 正男
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.153-161, 2014
被引用文献数
3

プラズマローゲン(Pls)は神経炎症抑制やアミロイド形成抑制効果を有し,アルツハイマー病の治療や予防に利用できる可能性がある.親鶏の皮および筋肉部のリン脂質(PL),特にPlsの組成を調べた.皮のPL画分のスフィンゴミエリン(19%)は,他の3つの筋肉組織(6%)に比べて多く含まれていた.皮PLの21%がエタノールアミンプラズマローゲン(PlsEtn),6%がコリンプラズマローゲン(PlsCho)であった.ムネではPlsChoはPlsEtnの1.8倍多く含まれていたが,モモではPlsChoとPlsEtnは同量含まれていた.Plsの脂肪酸組成としては,皮ではn-6系の20:4や22:4が多く,筋肉組織では18:1が多く検出された.皮エタノール抽出画分(高PlsEtn型)とムネ肉エタノール抽出画分(高PlsCho型)をホスホリパーゼA<sub>1</sub>処理し,ヘキサン,アセトンおよび溶解分画することにより高純度プラズマローゲン画分を容易に調製できた.皮,ムネとも鶏種および飼育環境の違いによるPL組成の変動は少ないため,親鶏は安定したPlsの供給源として有望であることが確認できた.