著者
高橋 正明 相澤 正樹 山村 真弓
出版者
宮城県農業・園芸総合研究所
巻号頁・発行日
no.82, pp.1-6, 2014 (Released:2016-04-13)

水田転作野菜として,作付面積拡大に向けた取組みが求められているタマネギは,加工用を中心として需要が高い。しかし,作業の機械化が進む一方で,収穫期が梅雨時期で安定的な作業体系を組めない,腐敗球の発生が問題となること,乾燥場所が確保出来ないこと等が原因で,本県の生産量は伸び悩んでいる。そこで,植物の病原抵抗性を高める紫外線と簡易な乾燥処理を組み合わせた新たな乾燥処理技術の開発を行った。その結果,収穫後のタマネギに紫外線照射をした場合,腐敗球の発生率が低下した。また,畑で地干しする必要がないため,天候の影響を受けにくく,収穫作業可能日数率が高まった。これらのことから,紫外線を利用したタマネギの乾燥処理技術は,腐敗球発生率の抑制と安定的な収穫作業体系の確立の一助となると考えられる。

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