著者
高橋 正明 相澤 正樹 山村 真弓
出版者
宮城県農業・園芸総合研究所
巻号頁・発行日
no.82, pp.1-6, 2014 (Released:2016-04-13)

水田転作野菜として,作付面積拡大に向けた取組みが求められているタマネギは,加工用を中心として需要が高い。しかし,作業の機械化が進む一方で,収穫期が梅雨時期で安定的な作業体系を組めない,腐敗球の発生が問題となること,乾燥場所が確保出来ないこと等が原因で,本県の生産量は伸び悩んでいる。そこで,植物の病原抵抗性を高める紫外線と簡易な乾燥処理を組み合わせた新たな乾燥処理技術の開発を行った。その結果,収穫後のタマネギに紫外線照射をした場合,腐敗球の発生率が低下した。また,畑で地干しする必要がないため,天候の影響を受けにくく,収穫作業可能日数率が高まった。これらのことから,紫外線を利用したタマネギの乾燥処理技術は,腐敗球発生率の抑制と安定的な収穫作業体系の確立の一助となると考えられる。
著者
関根 崇行 相澤 正樹 永野 敏光
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.56, pp.44-47, 2005

小型ファンを利用した送風機を自作し, 施設内に環流を発生させることにより, 雨よけ夏秋トマトに発生する地上部病害への影響を検討した.本機を48m<I>2</I>のパイプハウスに2組 (向かい合わせに2機ずつ4機) 設置し, 梅雨入り前から常時送風することにより, 灰色かび病および葉かび病の発生を軽減することが可能であり.特に灰色かび病に対する発病軽減効果は高かった.また, 本機の適用により, 7月下旬から9月初旬の化学合成農薬の使用を減らしても, 発病を低く抑えることが可能であり, 夏秋トマトの農薬節減栽培の可能性が示唆された.一方, 本機の送風によりうどんこ病の発生はやや多くなったが, 防除が必要な程度の発生ではなかった.