- 著者
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鮫島 弘光
坂田 宏志
- 出版者
- 兵庫県森林動物研究センター
- 巻号頁・発行日
- no.1, pp.66-77, 2009 (Released:2017-11-16)
・アライグマの原産地はメキシコ、アメリカ合衆国、カナダである。・原産地では、アライグマは重要な狩猟獣であり、アメリカだけで毎年数百万頭が捕獲されている。・生活被害や農業被害をもたらす有害獣や人畜共通感染症のホストとしても、捕獲されている。・アライグマは、鳥類やウミガメの集団営巣地で強い食害を与えているために、捕獲されている事例もある。・外来哺乳類による農業被害、生態系被害は、全世界で発生しており、根絶や個体数密度の抑制の対策が数多く行われている。・成功した根絶プロジェクトとして、大規模なものはイギリスにおけるマスクラット、ヌートリアの根絶があるが、多くは島嶼や小面積の保護区で行われたものである。・アライグマは、ヨーロッパ、中米にも移入されている。狩猟対象となっている一方、一部は農業被害や感染症の予防のために捕獲されている。・根絶が理想的な管理方法であるが、実際は実現可能性、費用対効果の観点から個体数密度の抑制を目標としている管理プログラムもある。・日本への移入は1960年代に始まり、近年急激に分布を拡大している。・分布の拡大とともに甚大な農業被害や生活被害を及ぼしている。また捕食・競争による生態系への影響も懸念されている。・このため、各都道府県、市町村で対策が進められはじめている。