著者
深田 英久 渡辺 直史
出版者
高知県立森林技術センター
巻号頁・発行日
no.35, pp.1-10, 2010 (Released:2013-10-08)

電気牧柵で囲んだ試験地内にヒノキ苗木を植栽し、放牧区内にメスの土佐褐毛牛を2~4頭放牧して無放牧区との群落高の変化および下刈り時間、ススキなどの優占種別の下刈り効果を比較し、苗木の状況を調査した。また、高知県のニホンジカの生息密度が高い地域で電気牧柵の内外にスギ・ヒノキ苗木を植栽し、電気牧柵の有無、また土佐褐毛牛放牧によるシカ害軽減効果を調査した。下刈り省力化試験は、ススキが優占する造林地において顕著な効果がみられたが、放牧日数の増加とともに苗木の踏付けによる枯死が、また、牛の体重が放牧開始時に比べて減少し始めた頃から牛による苗木への食害が増加した。シカ害軽減効果試験は、傾斜の緩やかな試験区(傾斜10deg 程度)では、電気牧柵のみで被害を十分に防ぐことができなかったが、牛を放牧することでシカ害軽減効果が確認された。また、比較的傾斜が急な試験区(傾斜20deg 以上)では、電気牧柵のみを設置した試験区でもシカ害がほとんどみられず、放牧による軽減効果は不明確であった。

言及状況

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土佐褐毛牛の放牧で下草刈りの省力化とシカの食害防止ができるのか? 結論:ススキが優占するような牧区では省力化できる。ワラビ型や樹高が植林する木より高いとこでは効果なし。 シカ害は、10°程度の傾斜では電牧&放牧で、20°以上の傾斜では電牧設置で効果あり。 https://t.co/FOV3s4A4yx

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