著者
岩本 博幸
出版者
東京農業大学農業経済学会→食料・農業・農村経済学会 (121号-)
巻号頁・発行日
no.124, pp.1-10, 2017 (Released:2017-08-03)

本稿の課題は,アニマルウェルフェアに配慮した畜産物生産の推進およびグリーン購入を通じた食品廃棄物・食品ロスのリサイクル推進の可能性について,豚肉を事例に消費者評価分析から検討することにある。豚肉の選択実験を実施し,ランダムパラメータ・ロジットモデルによる消費者評価の定量的な分析を試みた結果,以下の3点が明らかとなった。第1に,消費者はエコフィード(EF)表示,アニマルウェルフェア(AW)表示を肯定的に評価しており,消費者評価額はEF表示が18円,AW表示が22円となった。第2に,AW表示は,概ねどの消費者においても肯定的な評価がなされているのに対し,EF表示は肯定的に評価する消費者と否定的に評価する消費者に大きく分かれることが示唆された。第3に,AW表示については,普及啓発に取り組むことにより,WTPを高める可能性があることが示唆された。

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