著者
高木 俊 栗山 武夫 山端 直人
出版者
兵庫県森林動物研究センター
巻号頁・発行日
no.10, pp.32-45, 2018 (Released:2018-08-02)

・鳥獣害アンケートにおけるシカ・イノシシによる農業被害の程度と、集落周辺の森林面積割合、密度指標の関係性の分析を行った。・シカ・イノシシの密度指標として、出猟カレンダーから集計した銃猟時の目撃効率、箱わなの捕獲効率を用い、農業被害との関係性を比較した。・シカ・イノシシいずれも密度指標と森林面積割合を組み合わせることで、より被害程度が説明され、シカによる被害は、周辺1000m以内での森林面積割合が高い集落で、イノシシによる被害は周辺100mの森林面積割合が高い集落で深刻化しやすい傾向がみられた。・景観構造の違いを考慮した場合、森林内の銃猟時の目撃効率よりも、集落周辺で設置されることの多い箱わなでの捕獲効率の方が、被害程度との関係性が強かった。・目撃効率と被害程度の関係性は、兵庫県全体での個体数管理の目標設定の基準として使われてきたが、集落単位で被害分析や対策の評価を行う場合には、景観構造の違いを考慮し、箱わなでの捕獲効率を指標とすることが有効である。

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