- 著者
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大桑 良彰
- 出版者
- Japan Society for Medical Education
- 雑誌
- 医学教育 (ISSN:03869644)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.3, pp.181-193, 2000-06-25
- 被引用文献数
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2
本学では平成2年度から, 5つの選抜区分によるユニークな入学試験を行って来た. この入試成績と学内成績との関連を調べ追跡調査を行った. 解析に際しては, 先入観にとらわれたり恣意的な調査にならないよう, 全ての組み合わせを網羅して解析するよう心がけた. 入試成績と学内成績の相関, 選抜区分別の学内成績, 留年者や退学者などについて考察した. 入学後の結果に対し, 全体的に最も信頼できる指標は平成2年を除く小論文と思われる. 平成2~9年のうち前半では, 理系と指定調書の成績が良く後期が悪いようである. 後半では, 小論文の成績が良く, 後期と指定調書が悪いように思われる. また, 最近の理系もあまり信頼できる指標でないと思われる. 文系は医学部に適応してストレートに進級する者の学内成績は高いが, 適応できず留年を繰り返したり退学になる者の割合が多いようである. なお面接は, 平成9年以外はおおむね有効のようである.