著者
大桑 良彰
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.181-193, 2000-06-25
被引用文献数
2

本学では平成2年度から, 5つの選抜区分によるユニークな入学試験を行って来た. この入試成績と学内成績との関連を調べ追跡調査を行った. 解析に際しては, 先入観にとらわれたり恣意的な調査にならないよう, 全ての組み合わせを網羅して解析するよう心がけた. 入試成績と学内成績の相関, 選抜区分別の学内成績, 留年者や退学者などについて考察した. 入学後の結果に対し, 全体的に最も信頼できる指標は平成2年を除く小論文と思われる. 平成2~9年のうち前半では, 理系と指定調書の成績が良く後期が悪いようである. 後半では, 小論文の成績が良く, 後期と指定調書が悪いように思われる. また, 最近の理系もあまり信頼できる指標でないと思われる. 文系は医学部に適応してストレートに進級する者の学内成績は高いが, 適応できず留年を繰り返したり退学になる者の割合が多いようである. なお面接は, 平成9年以外はおおむね有効のようである.
著者
蒲原 真澄 塩満 智子 長谷川 珠代 大桑 良彰 鶴田 来美
出版者
宮崎大学
雑誌
南九州看護研究誌 (ISSN:13481894)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.29-36, 2012-03-15

本研究は,総合型地域スポーツクラブに参加している40歳以上の地域住民を対象に,体力・体格とロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)との関連をみた。対象者は,男性64名(26.1%),女性181名(73.9%)の合計245名で,40〜64歳107名(43.7%), 65歳以上138名(56.3%),年齢の平均±標準偏差は64.0±10.4歳であった。 ロコモ疑い有は27.3%であり,年代別にみると,40〜64歳14.0%, 65歳以上42.9%であった。体格・体力とロコモの有無との関連をみるためにMann-Whitney検定を行った結果,ロコモ疑い有の人は疑い無の人に比べてBMIが有意に高かった(p=0.004)。 また,65歳以上で,ロコモ疑い有の人が疑い無の人に比べてBMlが有意に高かった(p<0.001)。 体力とロコモの有無との関連では,65歳以上の10m障害物歩行(p=0.010)と6分間歩行(p=0.022)の項目において,ロコモ疑い有の人が疑い無の人に比べて評価得点が有意に低かった。今回,加齢に伴う体力の変化や体格はロコモに関連していることが示され,ロコモ対策として歩行能力の維持,適正な体重管理の重要性が示唆された。 自己でのロコチェック, 体重管理が重要であり,また,体力・体格に応じた運動・スポーツの選択が重要でそのための支援を行っていく必要がある。