- 著者
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堀 弘樹
菅野 秀貴
- 出版者
- The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
- 雑誌
- 日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
- 巻号頁・発行日
- vol.102, no.1, pp.102-8-102-18, 1999-01-20
- 被引用文献数
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Lazaroidは脂質過酸化反応を抑制し, 活性酸素を消去する作用をもつfree radical scavengerである. ラットを用いて, CDDPの聴器障害および腎障害に対するLazaroidの軽減効果の有無を検討し, さらにCDDPの抗腫瘍効果に対するLazaroidの影響について検討した. CDDP, Lazaroid併用群のCAP閾値上昇はCDDP単独群と比較して有意に軽度であり, 外有毛細胞の障害の程度も明らかに軽度であった. 一方, 両群間の血清BUN値に有意差は認められず, 腎の病理組織学的所見にもほとんど差異はなかった. TGRを指標とした検討で, 両群の間にはCDDPの抗腫瘍効果に差は認められなかった. これらの結果より, LazaroidはCDDPの腎障害に対する軽減効果はないが聴器障害を著明に軽減すること, Lazaroidの併用がCDDPの抗腫瘍効果には影響を及ぼさないことが示唆された.