著者
景山 詳弘 小西 国義
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.905-911, 1996-03-15
被引用文献数
5 2

切り花ギクの養液栽培法を確立する目的で, 輪ギクタイプの'秀芳の力'を用いて, 窒素施肥基準曲線による培養液管理法を試みた.<BR>1.本実験に用いた窒素施肥基準曲線は, 以前の研究の結果から作成したものであり, 窒素吸収曲線を基礎として, 生体重の増加速度に基づいた生長曲線との関連から, 栄養生長を抑えるように修正したものである (第1図).<BR>2.窒素施肥基準曲線に沿って1週間毎に窒素を施肥した区を1.0倍区とし, この区の施肥量の0.8倍量および0.6倍量を施肥する区を設けた. また, 1週間毎に培養液の窒素濃度を修正して100ppmに維持する区も設けた. いずれの区も窒素以外の肥料要素は別に施肥し, それぞれ不足しないような濃度に保った.<BR>3.'秀芳の力'を7月4日に挿し芽し, 湛液式の水耕装置に植え付け2本仕立てとして栽培し, 11月9日に収穫した. 栽培はビニルハウス内で行い, 日最低気温16°C以上とした.<BR>4.キクは1.0倍区と0.8倍区で正常に生育開花し,商品価値のある切り花となった. 0.6倍区では生育が悪く貧弱な切り花となった. 100ppm維持区では, 栄養生長がおう盛になりすぎ, 花と葉のバランスが悪くなって, 切り花品質が低下した.<BR>5.窒素施肥基準曲線に基づいて施肥した3区では,窒素はそれぞれの施肥直後の2~3日以内ですべて吸収されたので, この方法は一種の窒素供給制限法である. また, 100ppm維持区の総窒素吸収量は, 1.0倍区の総吸収量の1.41倍であった.<BR>6.この施肥曲線に沿って施肥していく場合, 窒素施肥量を100とした窒素以外の多量要素の施肥量の割合はP=10~15, K=100~120, Ca=35~40, Mg=8~10が適当である.<BR>特許出願この論文の一部は「切り花ギクの養液栽培方法」として巴バルブ株式会社 (大阪府) から平成5年12月18日に特許出願されている.

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こんな論文どうですか? 窒素施肥曲線を用いた切り花ギクの養液栽培(景山 詳弘ほか),1996 http://t.co/aVCLGSPx
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