- 著者
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添田 孝彦
- 出版者
- Japanese Society for Food Science and Technology
- 雑誌
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.9, pp.672-676, 1995-09-15
- 参考文献数
- 5
- 被引用文献数
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冷蔵ゲルを中心とした大豆タンパク質ゲルのゲル状食品への適性を,ソーセージ,ハンバーグ,さつま揚げを用いて調べた.その結果,冷蔵ゲルは加熱ゲル,凍結ゲル,SPIと比べてゲル状食品への高い適性をもち,畜肉や魚肉すり身に対する高い代替の可能性を示した.特に,ハンバーグのようなヘテロジニアスな歯ごたえを有する食品に対してはテクスチュロメータ物性並びに官能評価の結果から,畜肉代替比率50%でも対照(大豆タンパク質無添加)と同等の食感を有した.一方,ソーセージとさつま揚げの場合は畜肉代替比率が50%であると,その物性は対照よりも劣った.その理由は両サンプルともかたさと弾力の低いスコアーのためであった.<BR>以上より,冷蔵ゲルはゲル状食品において畜肉や魚肉すり身の高い代替が可能であった.これは冷蔵ゲルのもつしなやかで喉ごしのよいゲル物性が最終食品の物性に活用されたためであり,冷蔵ゲルの性質が畜肉や魚肉すり身との親和性を向上したためであると考えられた.この冷蔵ゲルの高い親和性は,冷蔵ゲルが加熱ゲルのようなS-S結合主体のゲル化ではなく,疎水結合や水素結合主体のゲル化であると考えられる2)ことに基因していると推察された.